神鳴
神鳴
天の啼き声
転がり叫ぶ呻き
昔の人は思った
天の怒りだ
神様が怒ったぞ、と
今となればどうと言うことはない
雷と呼ばれたり
嵐と呼ばれたり
台風と呼ばれたりもする
人々は一人夜を迎え
外の嵐にふと耳を傾ける
叩きつける雨と
空で唸る雷、光り
人は神に名を付け我が物とする
名は全ての物を縛る
人であれ
動物であれ
自然であれ
その人間の傲慢から生まれた
この束縛された世界
名など無くとも
人は生きられる
ただ雄大と生きることを望めば
名は人にとって邪魔な物でしかない
世界に自分の物は何一つ無い
今宵もまた、神鳴が鳴り響く
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